一連の事件の犯人は 火梛が言ったとおり、無言堂だった。
事件の後始末で、その日のてんびん座での上映は中止になった脫毛。
内緒にしておきたいけど、私が投げ飛ばして気絶させたのは、
取材しようとしていた平題箭記者だった。
持っていたのはカメラだった。
他の取材陣は 最初の上映館に駆けつけて取材を終えていたから、
玉輝美童襲撃未遂事件の現場写真は、
平題箭記者の独占スクープになるはずだったのだ。
私は それを駄目にしてしまったみたいだ。
きっと怒りくるっていることだろう。
二度と会いたくない收毛孔。
火梛は事件解決の功労者だが、
舞台で剣を振り回したことが 一時問題になったらしい。
普通なら 警察に呼ばれて事情聴取をされるところだったのを、
達磨坂警部が 撮影用の小道具だと強弁し、
うやむやにして、ごまかしてくれたらしい。
「カダメちゃんのたっての頼みですから、特別ですよ」
と言ったところをみると、先生が泣きつくか脅すかしたらしい。
どっちにしろ、
火梛が 何故無言堂と見破ったのかは聞きたいと、
達磨坂警部の家に招待された。
警察独身寮の汚い部屋だったAmway drive。