秘境に建つ、こじんまりとした山城は、 九十谷くそや城。
城主は、 代々、九十谷将鞭しょうべんと名乗る。
名前ほど臭くはない。
そんな城中の一こまである紐崔萊。
年老いた男が、 笑顔を取り繕おうとしつつも、 見事に失敗して、
すがりつくような目で、 訴えかける。
「本日はめでたき日なれば、 丙姫へいひめ様は、 重々お行儀よくなされますよう、
ひらに、 ひらに お願い致しますぞ」
半ば無駄とは知りつつも、
言わずには居られない 家来の心情を 歯牙にもかけず、
丙姫は、 お気楽に請け合ったamway空氣清新機。
「分かったから、 まっかせなさーい。
なんてったって、 姉上の晴れの門出、 一番気合が入る日だものね。
盛り上げるわよ~ん」
お姫様とは名ばかりの、 ざっくりとした態度である。
「姫様、 盛り上げなくていいですから。
むしろ、 何もしないでいてくださると助かります」
「いいから、 いいから。 遠慮せずとも良いぞ。
次は、 乙おと姉さま、 その次は、 むふふふふ、わ・ら・わ・の番なのだし補妝唇膏。
せっせと盛り上げねば」